「2つのシートを見比べて、値が違うセルにだけ色を付けたい」——これは Excel 標準の条件付き書式だけで実現できます。この記事では、その具体的な手順と、つまずきやすいポイント、この方法では対応できないケースの対処を順に説明します。
手順:条件付き書式で違うセルに色を付ける
前提として、比較したい2つのシート(ここでは Sheet1 と Sheet2 とします)が同じブックの中にあり、表のレイアウトが同じ(同じ位置に同じ項目が並んでいる)とします。別のブックにある場合は後述の方法で同じブックに集めてください。
- Sheet1 で、比較したい範囲を選択します(例:A1:F100)
- 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「新しいルール」
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
- 数式欄に次のように入力します:
=A1<>Sheet2!A1
- 「書式」ボタンから塗りつぶしの色を選び、OK で確定します
これで、Sheet2 の同じ位置と値が異なるセルに色が付きます。
つまずきやすいポイント
- 数式は「選択範囲の左上セル」を基準に書きます。範囲が B3 から始まるなら
=B3<>Sheet2!B3です。$を付けない相対参照にすることで、ルールが範囲内の全セルに正しく展開されます <>は大文字と小文字を区別しません。「Excel」と「EXCEL」も同じとみなされます。区別したい場合は=NOT(EXACT(A1,Sheet2!A1))を使ってください- 色が付くのはルールを設定した側のシートだけです。「Sheet2 にだけあるデータ」も漏らさず見たい場合は、Sheet2 側にも逆向きのルール(
=A1<>Sheet1!A1)を設定します - 確認が終わったら「条件付き書式」→「ルールのクリア」で後片付けを。ルールを残したままファイルを共有すると、次に開いた人が混乱します
別のブックにあるシート同士を比較したい場合
条件付き書式の数式は、同じブック内の別シートは参照できますが、別のブックへの参照はできません(筆者の環境の Excel でも、別ブックを参照する数式はエラーになることを確認しています)。
対処はシンプルで、先にシートを1つのブックへ集めます:
- 比較したいもう一方のブックを開く
- シート見出しを右クリック →「移動またはコピー」
- 移動先を比較元のブックにし、「コピーを作成する」にチェックを入れて OK
これで同じブック内の2シートになるので、前述の手順がそのまま使えます。
この方法の限界
条件付き書式による色付けは手軽ですが、原理的な限界が3つあります。
- 行や列のずれに弱い。「同じ位置のセル同士」しか比べられないため、片方に1行挿入されているとそれ以降がすべて「差分」として塗られてしまいます
- 差分の一覧が得られない。色は付きますが、「何か所違うのか」「どこが違うのか」のリストは別途自分で数える必要があります
- 元のシートに手を加えることになるため、後片付けが必要で、共有ファイルでは気を使います
レイアウトが完全に一致している表を、その場で1回確認するだけなら十分に実用的です。当てはまらない場合は、次の方法を検討してください。
行ずれがある・繰り返し行うなら:自動で色付きブックを出すツール
筆者が開発している無償の比較ツール「方眼Diff」は、この「差分への色付け」を自動で行います。
- 2つのファイル(またはシート)を選んで実行すると、差分セルを着色したブックのコピー(変更=黄・片方にしかない行や列=赤・移動=水色)と、差分件数をまとめたレポートが自動で開きます。元のファイルは変更しないので、後片付けも不要です
- 行や列の挿入・削除・移動があっても、対応関係を内容から自動で推定します。条件付き書式の弱点だった「1行ずれると全部差分」が起きません
- 別のブック同士もそのまま比較できます。シートを1つのブックへ集める前処理は不要です。同じブック内の2シートの比較もできます
- 無償で、インストールも不要です(zip を展開するだけ)
なお、方眼Diff が色付けの対象にするのはセルの値・数式・コメントの違いです。書式(塗りつぶしや罫線)の違いを検出したい場合は、2つのExcelファイルを比較する方法で紹介している Microsoft Spreadsheet Compare などを検討してください。
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