「Spreadsheet Compare」は、2つの Excel ブックの違いをセル単位で色分け表示できる Microsoft 純正の比較ツールです。値や数式だけでなく書式の違いまで検出できるのが最大の強みですが、探し始めた人の多くが最初につまずくのは「どこから入手するのか」「なぜ自分の PC にないのか」です。
先に、よく検索される疑問への答えをまとめます。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 単体でダウンロードできる? | できない。Office の一部のエディションに同梱されるだけ |
| Office 2019 で使える? | Professional Plus 2019 のみ。Home & Business などには入っていない |
| Microsoft 365 で使える? | Apps for enterprise(企業向け)のみ。Personal / Family には入っていない |
| 日本語化できる? | できない。メニューは英語のまま(操作に必要な英語は数語) |
| Mac で使える? | 使えない。Windows 版 Excel の付属ツール |
以下、順に詳しく説明します。
ダウンロードできる?——単体配布はない
Spreadsheet Compare を Microsoft が単体で配布しているページはありません。「Spreadsheet Compare ダウンロード」で検索しても公式の入手先が出てこないのはそのためです。入手の経路は、対応するエディションの Office をインストールすると一緒に入ってくる、この1つだけです。
したがって、お使いの Office に含まれていない場合は「ダウンロードして追加する」ことはできず、対応エディションへの切り替えか、別のツールを使うかの二択になります。
Office 2019 / Microsoft 365 で使える?——エディション別の有無
Microsoft 公式の説明によると、Spreadsheet Compare が付属するのは次のエディションのみです。
| 付属する | 付属しない |
|---|---|
| Office Professional Plus 2013 / 2016 / 2019 | Office Home & Business、Home & Student、Personal など |
| Microsoft 365 Apps for enterprise | Microsoft 365 Personal / Family、Apps for business |
つまり、主に企業向けの一括契約エディション限定で、個人購入の Office にはまず入っていません。Office 2021 以降について、英語版の公式ヘルプは「Excel for Windows の Microsoft 365 Apps for enterprise プランおよび同等のエディションでのみ利用できる」という表現に変わっています。買い切り版の名前は挙げられていないので、2021 以降の買い切り版で使いたい場合は、購入前にエディションの仕様を確認してください。
なお「Excel for Windows」限定と明記されているとおり、Mac 版 Office には付属しません。
Windows のスタートメニューにない・どこにある?
入っているかどうかの確認は簡単です。Excel のメニューではなく、Windows のスタートメニューで「Spreadsheet Compare」を検索してください。インストールされていれば、スタートメニューの「Microsoft Office ツール」フォルダ(バージョンによっては「Microsoft Office 2016 ツール」など)の中に「Spreadsheet Compare」が登録されています。
検索しても出てこなければ、お使いのエディションには含まれていません。前述のとおり後から追加はできないので、代替手段へ進んでください。
使い方①:Spreadsheet Compare を直接起動する
- Windows のスタートメニューから「Spreadsheet Compare」を起動します。
- 「Home」タブ →「Compare Files」をクリックし、比較したい2つのファイルを選んで OK を押します。
- 結果が左右に並んだグリッドで表示されます。
変更内容は種類別に色分けされます(たとえば入力値の変更は緑の塗りつぶし)。画面左下に色の凡例が表示されるので、迷ったらそこを見てください。画面左のチェックボックスで、比較する違いの種類(数式・マクロ・セル書式など)を絞り込めます。
パスワードで保護されたブックも、パスワードを入力すれば比較できます。非表示のワークシートも比較対象に含まれる点は覚えておいてください。
使い方②:Excel の「照会(Inquire)」タブから起動する
Spreadsheet Compare が使えるエディションでは、Excel 本体にも「照会(Inquire)」タブを追加できます。比較したい2つのブックを開いた状態で「照会」→「ファイルの比較(Compare Files)」を選ぶと、開いているファイル同士を直接比較できます。
「照会」タブが見当たらない場合は、「ファイル」→「オプション」→「アドイン」から COM アドインの「Inquire」を有効化します(手順の詳細は Microsoft のドキュメントを参照)。
日本語化できる?——メニューは英語のまま
日本語版の Office に付属していても、Spreadsheet Compare の画面とメニューは英語です。Microsoft から日本語版や日本語化の設定・言語パックは提供されていません(Microsoft の日本語ヘルプでも、メニュー名が「比較Files」のように英語混じりの機械翻訳になっているのはこのためです)。
ただし、操作に必要な英語はごく少数です。よく使うものだけ挙げておきます。
| 英語メニュー | 意味 |
|---|---|
| Home → Compare Files | 2つのファイルを選んで比較を開始 |
| Home → Export Results | 差分の一覧を Excel ファイルとして保存 |
| Home → Show Workbook Colors | 元のブックのセル色を結果画面にも表示 |
| Copy Results to Clipboard | 差分の一覧をクリップボードにコピー |
英語のままでも使えますが、「日本語で操作できる比較ツールが欲しい」という場合は、後述の代替手段も検討してください。
比較結果の扱い
- 結果は Spreadsheet Compare の専用画面のグリッドで確認します。元のブックのコピーに色を付けて出力するタイプのツールではありません。
- 差分の一覧は Excel ファイルとしてエクスポート(Home → Export Results)したり、クリップボードにコピーして他のアプリに貼り付けたりできます。
限界と注意点
- 入手性が最大の制約です。上記エディション以外では使えず、家庭向け・中小規模の環境では該当しないことが多いはずです。
- 結果は専用グリッドでの確認が基本で、「差分に色を付けたブックそのもの」を配布資料として渡したい用途には向きません。
- 比較は2ファイル単位です。フォルダにたまった多数のファイルをまとめて突き合わせる用途には向きません。
- 画面は英語のみです(前述)。
使えない環境での代替手段
お使いの Office に Spreadsheet Compare が入っていない場合、追加費用なしの選択肢は次の2つです。
- 条件付き書式で色付けする — Excel だけで完結します。手順はExcelのシート同士を比較して差分に色付けする方法で解説しています(レイアウトが同じ表向き)。
- 無償の専用ツールを使う — 筆者が開発している「方眼Diff」は、Office のエディションを問わず無償で使えます(Windows / macOS・日本語 UI)。差分セルを着色したブックとレポートを出力し、行や列の挿入・削除・移動があっても内容から対応関係を推定して突き合わせます。ブック同士だけでなくフォルダ同士の一括比較も可能です。比較対象はセルの値・数式・コメント、図形やテキストボックス内のテキスト、取り消し線の有無で、書式(色・罫線・表示形式など)の違いの検出は方眼Diff では対応していません。機能追加のご要望はお問い合わせからお寄せください。
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